2007年04月11日

死してなお

病気で夫を亡くした西日本の30歳代(当時)の女性が、
凍結保存していた亡夫の精子を使って体外受精で妊娠し
、2004年に出産していたことを、
諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(ねつ・やひろ)院長が11日、
明らかにした件を聞いてちょっと悩んでしまった。

体外受精は決して自然な流れではないが、
子どもが出来ないという女性の悩みを解消してくれる大きな意義がある。

さらに少子化が進む中で、子どもを産みたくないという女性がいる反面、
どうしても産みたいという女性もいるわけだ。

そんな相反する話題だけにちょっと複雑なのが今回の件。


たまたま(正確にはちょっと違うが)愛する旦那の精子を冷凍保存しており、
旦那が病死したため、
その精子を使って体外受精を試みた女性。

それからしばらくして無事に女児を出産。


ところが、これが問題になってしまった。


死後生殖と呼ばれるもので、死者の精子を使っての体外受精を認めないというものらしい。

法律的な規制はないものの、
最高裁では『親の一方が最初からいなかったり、法的な地位が不安定だったりすると、生まれてくる子どもにとって好ましくない』ということで、
父親としては認めないという判決が出されているのだ。


私の個人的な考えからすれば
最高裁の判事に言いたい

あんたも人の子なら大目にみてやってくれぇ頼む

この子は法律上『父親がいない』ということになる。
結果が体外受精であっても父親と呼べる人がいるのだからいいではないか。


『親の一方が最初からいなかったり、法的な地位が不安定だったりすると、生まれてくる子どもにとって好ましくない』

人道的や道徳的、倫理的という意味ではこれは分かる。
それを裁くところだからな。



しかし、母親が愛した夫との間に子どもを望んだわけで、
それが生きているか死んでいるかで
父親になれないというのは、死してなお死に切れないのではないだろうか?




Posted by さわっち at 23:28│Comments(0)
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